ヘッド部分に2パターンがあるカワサキ ZRX
カワサキZRXは2008年9月の自動車排ガス規制によって生産中止になったものの、現在でも中古市場において高い人気を維持しているバイクです。
ZRXにはZRXとZRX-Ⅱの二種類が存在しており、それぞれヘッド部分のカウルの仕様が異なっています。
ZRXはビキニカウルがヘッドライト周りにつけられているのに対し、ZRX-Ⅱはネイキッド仕様の丸型ヘッドライトになっているという見た目の違いがあります。
ヘッド部分の形状には違いがあるものの、基本的にはこの2つは駆動系装備は同じものが使用されているので、選ぶときには好きな見た目の方で選ぶのがよいでしょう。
ZRXの歴史について簡単に触れておくと、初代モデルが登場したのは1994年からのことで、以降2008年に最終モデルが登場するまで数多くのモデルチェンジが行われました。
現在中古で出回っているものの中でも人気が高いのは2008年のファイナルエディションで、特にZRX1200DAEG FinalEditionは1980年代に大人気となったZ1000R1モデルのデザインを取り入れており、レトロな見た目をしていることが特徴になっています。
しかもFinalEditionということで専用エンブレムやフューエルタンク上部にあるデカールなど、最後のモデルにふさわしい特別な仕様が随所に見られています。
排ガス規制により生産中止となった幻の名車
排ガス規制によってカワサキだけでなく多くのメーカーで旧車モデルがゾロリと姿を消したのですが、ZRXは全くそれに対応をしていないというわけではありません。
例えばZRX1200では排ガス浄化システムであるKLEENや触媒が装備されていたり、回転数を落とすことで排ガス規制に対応していたりということがあります。
その他イモビライザーやエキゾーストといったものも採用されているので、現行の排ガス規制基準にまでは満たないものの、十分に環境に配慮をした性能となっています。
より排ガス規制に対応したモデルとしては2009年2月に発売されたZRX1200DAEG(ダエグ)といったモデルもあります。
こちらはそれまで採用されてきたキャブレターから電装によるFI(フューエルインジェクション)に変更しており、その他細かな仕様変更がされています。
こちらのダエグは結果的にZRXの中で最も最後まで生産されたモデルとなり2016年まで最後のZRXとして多くの人に使われてきました。
そのため中古市場でもこのZRX1200DAEGは一番見かけるモデルとなっています。
ちなみに「DAEG」という言葉は古代ヨーロッパで使われていたルーン文字の「日(一日)」という意味の言葉で、公式サイトによると「進歩」という意味でつけられた名称なのだそうです。