ギアチェンジの必要性をしっかり意識する
大型バイクに乗るときに慣れるまでかなり苦労をするのが「ギアチェンジ(シフトチェンジ)」です。
スクーターのようなATバイクであれば、運転は手元のスロットルとブレーキのみで行うことができるのですが、いわゆる普通のバイクであるMT車ではこのギアチェンジなしには快適な運転はできません。
そもそもなぜギアチェンジが必要なのかということから説明していくと、MTバイクの基本的な構造としてエンジン部分とその回転を後輪に伝えるチェーンが存在しています。
しかしスピードの上げ下げを調節するためには自転車のようなペダルとチェーンのみというわけにはいかず、滑らかに加速や減速するためにチェーンに加わる力を調節して行く必要があります。
このときに使用されるのが複数のギアで、小さな回転軸に強い力を加える1速から順に6速まで少しずつギアの大きさを大きくしながら一回のエンジンの振動を早い回転になるようにシフトアップしていきます。
低速での走行や発進時には1速から始め、スピードが上がっていくにつれシフトを上げていき、減速をするときには逆にシフトを下げます。
この操作を行うのが左手ハンドルについているクラッチハンドルで、ハンドルをぐっと強く握り込むことでクラッチが開くので、そのタイミングに合わせて左足のギアシャフトをチェンジします。
ギアチェンジが滑らかにいかないとエンストが起こり、ノッキングという急にガクガクとタイヤがロックされた状態になります。
クラッチ操作は迷いなく行うことが大切
初心者などギアチェンジに慣れていない人にありがちなのが、クラッチハンドル操作の誤りです。
まずクラッチを完全に根本まで握り込む操作は、発進時と停車時くらいのもので、走行中のチェンジでは完全に開かない「半クラ」に近い状態で行います。
完全にクラッチを握り込むと操作に時間がかかってしまうとともに極端にクラッチが開放されてギアが急激に変化し車体にかかる振動が大きくなります。
しかしだからといってクラッチを開くときにゆっくりと恐る恐る握り込むようにしてしまうと、半クラの不安定な状態で速い走行をすることになるので、同じように車体がぐらつく大きなショックになってしまいます。
理想的なのはクラッチハンドルは人差し指と中指のみを添えて軽くスッと引くようにし、完全に切るよりも1cm程度手間で止めるようにします。
快適なクラッチ操作をするためにはクラッチハンドルの遊びの調整が非常に重要になってきます。
内部のオイルが劣化してくると握りがフワフワと手応えのないものになってしまいますので、いつもと違うと思ったら早めに整備をし適切に力を伝えられるように調整しましょう。