欧州仕様で開発されたハイパワーバイク Versys1000
かつて人気となった旧車がここ数年で次々とファイナルエディション化しているカワサキですが、ニューモデルとして精力的に販売されているシリーズの一つがVersys(ヴェルシス)です。
2018年11月6日に開催されたイタリアでのミラノショー(EICMA)でVersys1000およびそのハイグレートバージョンであるVersys1000SEが発表をされました。
Versysの系譜をたどってみると、初代モデルとしてデビューしたのは2007年発売のヴェルシス650で、その後2012年からVersys1000が登場しています。
Versys650の上位モデルとして登場したのがVersys1000で、Versys650がNinja650R(ER-6f)系のエンジンを搭載していたのに対し、Ninja1000(Z1000)系のエンジンに変更されています。
これにより低中回転域でのパワーアップを可能にしており、大型バイクが苦手とする低回転数での最大出力と最大トルクが出せるようになりました。
その他エンジンサポートの切り替えができるなど最新の仕様に対応しており、カワサキの人気モデルとして有名になったNinjaシリーズの後継としての地位を確立しました。
Versys1000は当初は欧州仕様車として2012年時点では国内販売はされていなかったのですが、後に海外で人気が高まったことから現在では日本でも購入をすることができるようになっています。
2019年には新モデルとしてVersys1000SEが登場しており、電子制御スロットルバルブが採用されたことにより出力特性を高めるだけでなく国内の厳しい環境基準をクリアしています。
Versys1000SEにおいてはSHOWAと共同開発をした電子制御サスペンションであるKECSなど安全性能が追加搭載されていることからカワサキのフラッグシップモデルとして発売前より大きな注目を浴びています。
どんな道でも走行できる最強エンジン
Versys1000の大きなコンセプトとなっているのは「どんな道でも、どんな時でも」というキャッチフレーズです。
この言葉の示すように、Versys1000では公道における舗装路面での走行だけでなくオフロードなど荒れた路面でも走行しやすい機能を搭載しています。
あらゆるストリートライディングの楽しさを追求することができるというのがVersys1000のメリットとして挙げられているあたり、欧州仕様車が先行して販売されたというルーツをたどることができます。
基本仕様としては、水冷4ストロークDOHC4バルブ4気筒のエンジンに総排気量は1043ccとなっています。
先に述べた電子制御スロットルバルブにより吹上のよいトルクが維持されており、スムーズな加速と同時に環境性能を備えています。
安全性能として、旧モデルよりもブレーキ性能が大きく向上しているというところもポイントで、フロントは310mmのブレーキディスクと4ピストンラジアルマウントモノブロックキャリパーが採用されており、さらにABSやKIBSが標準装備となっています。