オールドルックが魅力のカワサキ W650
カワサキW650はオールドルックなデザインと、場所や環境を選ばない優れた走行性を備えていることで有名なバイクです。
まずカワサキの「W」モデルの歴史について軽く触れておくと、初代モデルが発売されたのは1966年の「650-W1」からであり、その後カワサキの最大排気量モデルとして50年あまりにわたり多くのユーザーに愛されてきました。
カワサキの大排気量バイクは日本国内よりもむしろ欧米方面で高い評価を得ている傾向が見られているのですが、この「650-W1」も当初より北米市場をメインターゲットとして開発されました。
開発は北米仕様で行いましたが発売日は日本と同日からとなっています。
1968年には650W1Sというツインキャブタイプのものが登場し、さらに1973年に650RS-W3という直立2気筒(バーチカルツイン)エンジンを搭載したタイプが販売されました。
ここ近年のバイクの主流となっているのは4気筒エンジンなのですが、2気筒バイクには4気筒にはない排気音と鼓動感があることから、そうしたバイクファンの声を活かすためにあえてそちらを採用したというところにWシリーズの特徴があります。
50年という長い販売歴の間にはいくつもの名車が登場していたのですが、2008年の排ガス規制の導入によりついに最終モデルであるW600およびW400はファイナルエディションとなりました。
新たに排ガス規制に対応するためにW800というモデルが2010年10月に欧州で販売され、その後日本でも販売されるようになりそちらが「W」シリーズ唯一の生き残りということで販売が続けられてきました。
しかしながらついに2017年にまた新たに厳しい排ガス規制が開始されたことで、ついにW800も生産中止となってしまいました。
カワサキもWシリーズ特有の空冷式エンジンでは排ガス規制に対応しつつ夏場のオーバーヒートに対応するのは限界として市販モデルとすることを停止にしたのでした。
W650を含むWシリーズは初代モデルからほとんど変わらない見た目が魅力のレトロバイクで、幅広い年代から受け入れられてきたモデルであったため、現在でも中古市場において多く流通をしています。
ファイナルエディションは2009年度版
W650はWシリーズの中でも人気の高いモデルでした。
販売期間は1999年2月からで、ファイナルエディションが2009年までとなっています。
基本スペックは空冷4ストローク2気筒SOHC4バルブで、排気量は675ccとなっています。
それまでのOHVエンジンからがらりと変更した新型バイクとして注目を受け、また欧州車とデザインが近いことから「ネオクラシック(ネオレトロ)」バイクのはしりとしても人気がありました。